デジタル人民元はいつから開始するのか?深センなど実証実験はすでに最終段階

どうも天村です!
今回は、デジタル人民元はいつから開始するのか?深センなど実証実験はすでに最終段階というお話をします。
中国では、すでにデジタル通貨の実証実験が最終段階に入っていて、年内にも利用がスタートするのではないかと言われています。
今の段階でどれぐらい進んでいるのか?
いつから開始されるのか?
そして、開始されることでどうなるのか?日本への影響はあるのか?などを見ていきたいと思います。
これを見ていただければ、これから未来の通貨(デジタル通貨)がどう変容していくのかがわかります。
ちなみに以前の記事でデジタル通貨について紹介しているものがありますので、そちらも合わせてご覧いただけますと、より深い学びになると思います。
デジタル通貨実現へ日銀が第2段階の実証実験を発表!どうなる未来のお金
これまでのデジタル人民元の実証実験
中国ではすでに、日銀が想定している3段階の社会実験でいうところの、第3段階、つまり最終段階の実証実験をやっている状態です。
ちなみに今のところ日本は「デジタル通貨を発行する予定はない」とのことですが、念のためこれから実証実験をおこなうみたいです。
中国ではデジタル通貨を本気で実現させるために実証実験をしているので、日本と中国ではこれぐらい温度差があるということになります。
これまで中国がデジタル人民元実現に向けておこなってきた実証実験を振り返ってみます。
2020年10月:広東省深圳(シンセン)初めて市民に配布
当選した5万人に200元(約3,000円)総額1,000万元(約1億5,000万円)が配られた。
スーパーや飲食店など、約3,400店舗でデジタル人民元が利用。6万2,788件の決済。
2020年12月:江蘇省蘇州(ソシュウ)市民10万人の大規模実験
当選した10万人に200元(約3,000円)総額2,000万元(約3億円)が配られた。
初めてネット上でのデジタル人民元利用実験に加え、オフライン状態のスマホ決済実験も実施。
2021年1月:広東省深圳(シンセン)市民10万人の大規模実験
当選した10万人に200元(約3,000円)総額2,000万元(約3億円)が配られた。
カード方式(非接触型決済)のデジタル人民元の利用も開始された。
中国は主要先進国で唯一の最終段階実験
主要国の中で、中央銀行がデジタル通貨の発行を正式に決めているのは、今のところ中国だけとなっています。
2021年半ばぐらいには、欧州中央銀行が「デジタルユーロ」の発行を決める可能性があるみたいですが、まだまだ不透明のようです。
もしも、発行を決めたとしても、そこから法整備を進めたり、段階的に実証実験を重ねていくことになると思うので、発行までにはかなりの時間が必要でしょうね。
アメリカは「デジタルドル」については、今のところ慎重な姿勢のようですし、日本も現物通貨の信用度合いと安全性が異常なほどに高い国なので、デジタル通貨発行は最後発国になると僕は思っています。
これから超高齢化社会になっていく中で、国のトップも年配のリーダーが続くのであれば、デジタル通貨の実現自体が「ない話」なのかもしれないですね。
若いリーダーが選ばれるなら、その限りではないですが、選ぶ側の有権者も年配の方ばかりになるので、それもあまり期待できないでしょう。
世界で一番先陣を切って、中国がデジタル通貨を実現してくれると思うので、僕はこのトピックはすごく注目しています。
デジタル人民元はいつから開始か?
2014年からデジタル人民元の研究がスタートされて、約7年が経ちました。
当面の黙行は、2022年2月に開催が予定されている北京冬季オリンピック。
ここを目標に、デジタル人民元の実証実験が進められているわけですが、開催まで1年を切りました。
おそらく2021年内にも、実現するのではないかと思います。
中国政府は、まだデジタル人民元の正式発行の時期を決定してませんが、現在のようなペースで実証実験が広範囲に行われていけば、早期実現は大いにありそうですし、年内にもデジタル人民元が発行されるという報道も出てきているようです。
デジタル人民元の影響力は?
さて、気になるのは日本を含めた他国への影響は?という部分ですよね。
中国の人民元は、世界的な通貨としては、ドルや円と比べてそこまで高くありません。
そこで中国は、デジタル人民元を国際化の足掛かりにしたいと、もくろんでいるようです。
巨大な経済圏構想もあるようで、そうなってくると東南アジアの一部の国などが呼応する可能性も高そうだと思います。
「先行者利益」という言葉があるように、中国は圧倒的なスピードでデジタル通貨を実現させようとしているので、おそらく世界のトップはアメリカから中国へシフトしていく日も、そう遠くないのではないかもしれません。
基軸通貨のドルを、何とかして元にしたい中国の思惑と、それを許さないアメリカの戦いは、さらに激化していくと思います。
デジタル戦争。
まさにそんな状況が、これからも展開してくのかもしれないですね。
あっ、ちなみに。
日本は完全に取り残された国になるので、ここの分野に関しては絶望的な未来しか待っていません。
ですので、「どちらに付くか」的な判断を迫られることになるのですが、まぁ、今のところ、というか確実にアメリカに付いていくでしょうね。
僕たちは、アメリカが沈まないことを願うしかないです。たぶん。
ではまた!